【要注意】冬の寒さが原因!外壁の凍害とは?見逃すと高額な修繕費になることも…危険なサインと予防策を解説
2025.12.09 (Tue) 更新

専門家が警告!冬の間、あなたの家を蝕む「凍害」の恐れ
「外壁のひび割れは、ただの見た目の問題」―もしそう考えているなら、それは大きな間違いかもしれません。
特に冬の寒暖差が激しい時期は、外壁の内部で「凍害(とうがい)」という深刻なダメージが静かに進行しているかもしれません。
※凍害とは外壁材に侵入した水が凍結、そして膨張し、その圧力で外壁を内側から破壊してしまう現象の事
この現象を放置すれば、外壁の剥離や落下、さらには構造体にもダメージを与え、雨漏りなどの2次被害まで及びかねません。
そして結果的に高額な修理費がかかる恐れもあります…。
✅凍害が起こるメカニズムと被害が起きやすい意外な場所
✅放置すると危険修理費が高額になる前に発見できる「初期サイン」
✅専門家が実践する家の寿命を延ばすための「予防策と対処法」
目次
なぜ冬に外壁が壊れる?凍害の「破壊メカニズム」
凍害は外壁の防水性がなくなってきてから起きるだけではありません。ひび割れや「意外な隙間」からの水の侵入が凍害を引き起こすケースが多発してます。
そのメカニズムは非常にシンプルですが、破壊力は絶大です。
凍害発生の3ステップ

- 水の侵入:外壁のひび割れや隙間から水が内部に侵入します。
- 体積の膨張:侵入した氷点下で凍結すると体積は約9%膨張します。
- 内部から壁を破壊:この膨張する力が外壁材に圧力をかけ、外壁材にダメージを与えます。
この凍結と融解が寒い時期に何度も繰り返され、外壁の損傷を進行させていきます。
ちなみに水が凍る力は非常に強力で、頑丈な鉄骨でさえも変形をさせてしまうほどです。

※途中から膨らんでいる様子がうかがえます。
盲点になりがちな「水の侵入ルート」
凍害の第一歩は、水が壁の内側に入り込むことから始まります。主な侵入ルートは以下の二つです。
- 外壁表面の劣化:ひび割れや塗装の防水性がなくなり、外壁材自体が水を吸い込むケース
- サッシ周りの隙間:これが意外な盲点です。サッシと壁の間のコーキング切れや、サッシのレールの隙間から水が浸入するケース
【事例写真】水が凍ると壁はどうなるのか?
水が浸入した状態で気温が氷点下になると、内部の水が凍結し、体積が約9%膨張します。この「氷の膨張圧力」は凄まじく、外壁材を内側から破壊します。
実際にサッシ周りから水が浸入し、凍害が起きたケースをご覧ください。
実際の被害事例

分かりにくいですね。拡大してみましょう。

塗膜だけでなく、外壁材の内部から破壊されているのがうかがえます。
侵入経路はこちらのサッシのレール部分です。

通常、サッシのレールの結合部にはパッキンがついていたり、水が入らないようになっているのですが、
今回のお宅ではおそらくパッキンが劣化し機能しなくなり、水が浸入したのだと思われます。
特に冬場はサッシのレール上に雪が溜まったり、結露した水が溜まりやすいので注意が必要です。
このケースの対処法
レールの端部にコーキングを打ち、水が入らないように対処します。
外壁は補修では修繕が難しかったため、ボロボロになった箇所のサイディングを張替えさせていただきました。
交換費用ですが、枚数と種類にもよりますが5万~10万程になるでしょう。早めの発見であればもっと安価に済む場合もあります。
あなたの家は大丈夫?凍害を引き起こしやすい状態や場所をチェック
外壁のひび割れ
ひび割れは水の侵入経路の一つです。細いひび割れ(0.3㎜以下)でしたら侵入リスクも下がりますが、放置するとひび割れも大きくなりますので注意しましょう。
※0.3mm以下のひび割れ

塗膜の剥がれ
塗装面の一部が剥がれている場合注意が必要です。特に水が溜まりやすくなっている箇所は凍害を引き起こすリスクが高いです。

コーキングの劣化

サイディング材の板間や、サッシ周りのコーキングをチェックしましょう。劣化していると弾力がなく硬化していたり、ひび割れや破断していることもあります。
外壁材の断面は防水処理がされていないので、ここから水を吸い込みやすいです。
サッシ周辺
上の事例でもお伝えしたように、サッシのレール部分から水が侵入するケースや、
サッシに水切りが付いていなく、流れる水が外壁を伝い、凍害を引き起こすことも結構多くのお宅で見られます。


2枚目の写真ではよく見ると凍ってる状態も確認できます。
お風呂場のひび割れ

お風呂場がユニットバスではない(タイル張り)住宅では、お風呂内部の壁も注意が必要です。
タイルの割れた箇所から水が漏れ、外壁の内部に流れていくことがあります。
幕板

幕板とは主に1階と2階の間にある帯の部分です。幕板の上部にはコーキングを打設していることが多いですが、劣化が進み機能しなくなると幕板と外壁の間に水が浸入します。
また、少し出っ張っているため幕板の上に水や雪がたまりやすく、凍害を引き起こしているケースも多く見られます。

凍害を防ぐには?予防策と対処法
凍害を防ぐ基本はとにかく水をいれないことにつきます。
外壁塗装で防水性を回復

築10年を過ぎた家は外壁の防水機能が低下していることが多いです。塗装をして防水性を回復させましょう。
低汚染塗料や20年以上持つ塗料など種類がありますので専門家と相談しながら、お住まいの地域に合った塗装プランを考えることをおすすめします。
後付け水切りの設置

窓の下など、壁に水が伝わりやすい箇所には「後付け水切り」の設置を検討してみましょう。
水の伝わりを防ぐだけで外壁の損傷リスクを下げることができます。
こまめな部分的な補修を行う

外壁全体の塗装まで予算やタイミングが合わない場合でも、気になる箇所の部分修繕だけでも行うことをおすすめします。※特に北面など陽が当たりにくかったり、凍害リスクのある箇所
- コーキングの打ち換え:特にサッシ周りや目地の隙間を埋めることは凍害予防にも効果的です。
- ひび割れの補修:ひび割れを埋めるだけでも水の侵入を食い止めることができます。
部分的な修繕であれば費用を数万円~に抑えつつ、劣化の進行を止め高額な修理リスクを大幅に減らすことが可能です。
まとめ:冬の間に一度はチェックを!
凍害は気候だけの問題ではありません。外壁のひび割れやサッシの隙間など、日々の小さなチェックや、定期的に専門家に点検してもらうことで、リスクを大幅に減らすことができます。
放置すれば数十万~数百万の修繕費用になりかねない凍害のサイン。早期発見がとても大切です。
この記事を参考に一度ご自宅の外壁をチェックしてみてください。もし気になる箇所があれば地元の専門業者に見てもらうことをおすすめします。
トラストは外壁塗装・屋根塗装・雨漏り専門店です。
長野県北信・東信地域密着で多くの信頼と実績を積み重ねてきた塗装のプロフェッショナル集団です。
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ブログ執筆者

株式会社トラスト 専務取締役 工場法人課
船田 隆行
所有資格:
- 2級建築施工管理技士
- 一般建築物石綿含有建材調査者
- 石綿作業主任者























