【外壁塗装の基礎知識】「下塗り」こそ重要。プライマー・フィラー・サビ止めの違いと選び方
2023.09.30 (Sat) 更新

前回の記事では、下塗り材には大きく分けて「プライマー」「サーフェーサー」「フィラー」「サビ止め」の4種類があることをお伝えしました。
今回はさらに一歩踏み込んで、プロがどのようにこれらの塗料を選定しているのか、具体的な種類と選び方について解説します。
長野県長野市、上田市のみなさん、こんにちは!
目次
なぜ「3回塗り」だけではダメなのか?
塗装工事の見積書を見ると、「下塗り1回・上塗り2回」の計3回塗りが記載されていることが一般的です。
これは業界のスタンダードですが、単に「3回塗れば安心」というわけではありません。
重要なのは、「適切な下地を作った上で、上塗り材を塗ること」です。 その土台作りを担うのが「下塗り材」です。
大手塗料メーカーであるエスケー化研の公式サイトでも、下塗り材について以下のように定義されています。
「各種下地の状態を整え、仕上げ材が下地と強固な密着性を得るために重要な役割を担います。」
どんなに高価な上塗り塗料を使っても、この土台部分が弱ければ、塗膜は簡単に剥がれてしまいます。
数百種類から選ぶ、プロの選定基準
実は、下塗り材の種類は膨大です。 エスケー化研1社だけでも40種類以上のラインナップがあり、他メーカーを含めると数百種類以上が存在します。
これらをすべて網羅するのは難しいため、今回は一般住宅の塗装において弊社が実際によく採用している下塗り材の使い分けをご紹介します。
「企業秘密」というほどではありませんが、現場のプロが何を基準に選んでいるのか、塗料の種類別にご覧ください。
1. プライマー(シーラー)

下地に浸透して補強し、上塗り材との密着を良くする「接着剤」のような役割です。
水性シーラー
傷みの少ない「窯業(ようぎょう)系サイディング」に使用します。
水性ハイブリッドシーラー
室内塗装などで、既存の壁と水性上塗り材との密着性が悪いと考えられる場合に使用します。
弱溶剤ハイブリッドシーラー
「光触媒」や「無機系コーティング」など、塗料が密着しにくい特殊加工が施されたサイディングに使用します。
弱溶剤2液形エポキシ樹脂シーラー
主にスレートなどの「窯業系屋根材」に使用し、強固な素地を作ります。
2. サーフェーサー
微細なひび割れを埋めたり、下地の凸凹を平滑にする役割があります。
水性サーフェーサー
実は、弊社の現場ではあまり使用頻度は高くありません。
弱溶剤サーフェーサー
傷みが激しく、表面が荒れてしまった窯業系サイディングの下地調整に使用します。
3. フィラー

厚みをつけることができ、ひび割れへの追従性が高い下塗り材です。
水性微弾性フィラー
「ALC(軽量気泡コンクリート)」や「モルタル外壁」に使用します。ゴムのように伸縮し、ひび割れ(クラック)の表面化を防ぎます。
4. サビ止め

金属部分の腐食を防ぐための専用下塗り材です。
1液形弱溶剤エポキシさび止め
過去に塗装歴がある(2回目以降の)金属屋根や、その他の鉄部に使用します。
2液形強溶剤エポキシさび止め
新築後初めて塗り替えを行う金属屋根に使用します。より強力な密着力が求められるため、強溶剤タイプを選定します。
まとめ:塗料選びは「下塗り」にご注目ください
一般的な戸建て住宅の塗装では、主に上記のような基準で選定を行っています。
見積もりを取る際、「フッ素なら何年持つ」「無機なら何年持つ」といった上塗り材の耐用年数(寿命)にばかり目が行きがちです。 しかし、たとえ20年・30年持つと言われる最高級の塗料であっても、下地から剥がれてしまっては元も子もありません。
塗装をご検討の際は、ぜひ「ウチの壁にはどんな下塗り材を使うの?それはなぜ?」と、下塗りについても注目してみてください。 適切な診断と選定こそが、お家を長持ちさせる秘訣です。
トラストは外壁塗装・屋根塗装・雨漏り専門店です。
長野県長野市、上田市地域密着で多くの信頼と実績を積み重ねてきた塗装のプロフェッショナル集団です。
地域密着だからこそ実現できる適正価格で高品質な塗装をご提供いたします。
これまで積み重ねてきた信頼と実績に恥じぬよう、誠心誠意対応させていただきます。
★トラストは長野市、上田市で気軽に相談ができる《外壁・屋根塗装ショールーム》を展開しております★
外壁塗装・屋根塗装・雨樋・雨漏り・サイディングなどでお困りの方はお気軽にどうぞ!
優良店・口コミ評判店目指して頑張ります(^^)
【よくある塗装に関するご質問】はこちらにまとめさせていただきました。
ブログ執筆者

株式会社トラスト 営業部営業課
松原 梨恵子
所有資格:
- 外装劣化診断士






















